ウイルス感染で匂いと味が分からなくなる
匂いが分からなくなることを嗅覚障害、味が分からなくことを味覚障害と言います。
鼻の奥には匂いを感じる嗅細胞があります。
ここがウイルス感染でやられてしまうと匂いを感じなくなります。
匂いが分からないと味も分からなくなり、こういった状態を風味障害と呼びます。
新型コロナウイルス感染で風味障害が起きることは最近の報道などでご存知の方も多いと思います。
ただ、この風味障害は新型コロナウイルス以外のウイルスでも起こります。
要するに軽い風邪でも起こりますので、匂いと味が分からない=新型コロナウイルス感染ではありません。
ウイルス感染による風味障害には緊急性はありません。
自然治癒することもありますし、発症して間もない頃に治療をしても発症から2週間くらい経ってから治療をしても治療予後(治るかどうか)に差はないからです。
症状だけでは新型コロナウイルス感染なのか、それとも他のウイルス感染なのかは区別がつけられません。
ですのでまずは自宅安静で自然治癒を待ち、2週間以上経過しても匂いも味も分からない場合に耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
急性副鼻腔炎でも匂いと味は分からなくなる
なお、風味障害は急性副鼻腔炎でも起こります。
急性副鼻腔炎になると鼻の中が浮腫んだり、ドロっとした鼻汁(膿性鼻汁)がたまることで、鼻の奥の嗅細胞まで匂いが届かなくなるからです。
匂いと味が分からないだけでなく頭痛、頭重感、鼻閉、膿性鼻汁などの症状が伴う場合には急性副鼻腔炎による風味障害の可能性が高くなります。
この場合な抗生剤を使うことで良くなります。
頭痛や頭重感が酷い場合には早めに受診して治療を受けた方が早く楽になります。
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