BCGの予防接種をしている国ではCOVID-19による死亡者数が少ない?
日本のようなBCGワクチンの予防接種制度がないイタリア、スペインの新型コロナウイルス感染による死者数はそれぞれ1万人超、同じく予防接種制度のないアメリカは5千人超となっています。
一方、予防接種を実施しているポルトガルの死者数は200人程度で明らかな差があることから、BCGの予防接種をすることで新型コロナウイルス感染による死亡を防げる可能性があるのではないかということが話題になりました。
iPS細胞で有名な山中伸弥先生も「BCGの接種と死亡者数に逆相関がみえるのは確か」という趣旨の発言をしています。
必ずしも「相関関係あり=因果関係あり」ではない
統計上、BCGの予防接種をしている国では死亡者数が少ないのは事実です。
ですので山中先生の「逆の相関関係あり」というのも確かです。
でも(逆の)相関関係があるから因果関係(BCGが新型コロナウイルス感染に効果がある事)もあるかというと必ずしもそうとは言えません。
例えばですが、近年は少子化が進んでいます。
他に年々進んでいるものの1つとして地球の温暖化もあります。
だからと言って少子化が進んだから地球の温暖化が進んだと少子化と温暖化に因果関係があるとは考えませんよね?
それとBCGと新型コロナも同じことです。
因果関係があるかどうかは統計ではなくて科学的に調べないと分からない事なのです。
現在、オーストラリアで有効性に関して臨床試験で検証中とのことです。
続報を待ちましょう。
BCGワクチンに関する学会の見解
新型コロナウイルス感染に対するBCGワクチンの効果について、日本ワクチン学会は「効果は科学的に確認されていない」との見解を公表しています。
新型コロナへの効果は、現状では否定も肯定も接種の推奨もできないとしています。
また予防接種歴のない高齢者に対してBCGワクチンを接種することについて、日本では高齢者への予防接種に関する知見がないこと、本来接種すべき乳幼児へのワクチンが安定して供給できなくなる懸念もあります。