ヘルパンギーナと手足口病

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ヘルパンギーナと手足口病

ここのところYahoo!newsなどで「ヘルパンギーナ急増!」とか「日本各地で手足口病の警戒警報!」などの見出しをよく見かけます。受診される方からも『のどが痛いのですが、子供の通う保育園で手足口病が流行っていて…』などと言われる事が増えてきました。

 

元々、ヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルスは夏の三大感染症として有名な疾患です。

いわゆる夏風邪ですね。

決して最近になって増えてきた新しい疾患というわけではありません。

私が医学生だった20年以上前からメジャーな疾患でした。

アデノウイルスは夏にプールの水を介して感染しやすいためプール熱という呼ばれ方をすることもあります。

 

ヘルパンギーナと手足口病は症状がよく似ていますが一番の違いはヘルパンギーナは40度近い高熱が出るのに対して手足口病は平熱か微熱程度で済むことが多いのと、ヘルパンギーナが口の中にのみ水疱が出来ますが手足口病はその名の通り手足にも皮疹が出る点です。

ヘルパンギーナも手足口病もエンテロウイルス属(entero:腸管)というウイルス感染が原因です。

咳やくしゃみなどでうつる飛沫感染、唾液や鼻汁や便のついた手で触ってうつる接触感染が感染経路です。

従って感染を防ぐには手洗い、咳エチケットが有効です。マスクはウイルスが隙間を通過するため無意味です。

ウイルス感染なので根本的な治療法はありません。

熱があって辛そうなら解熱剤を使う、脱水気味なら補液する、などの対症療法をしながら自然治癒を待ちます。

 

インフルエンザとは異なりヘルパンギーナも手足口病も体調さえ回復すれば学校や職場を休む必要はありません。

インフルエンザのように感染力が強くないこと、発症してから3週間くらいは腸管で増殖したウイルスが排出され続けて感染させるのでそれだけの長期間、学校や職場を休むのは非生産的であること、などが理由と言われています。

 

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