手足口病、ヘルパンギーナと並び夏の3大感染症の一つとされている咽頭結膜熱(プールの水を介して感染することが多いので別名、プール熱)。
アデノウイルスへの感染が原因で数日間続く高熱、のどの痛み、目の充血や目ヤニを主症状とします。
主症状の他に、頭痛、腹痛、下痢、首のリンパ節腫脹などの症状を伴うこともあります。
一見すると耳鼻咽喉科とは関わりのなさそうな咽頭結膜熱ですが、実は急性中耳炎を合併することがあるため耳鼻咽喉科と関係がない訳ではないのです。
急性中耳炎はウイルス感染(いわゆる風邪のこと)をきっかけに起こります。
無数に存在するウイルスの中でも特にRSウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが急性中耳炎を引き起こすことが多いとされています。
前3つのウイルスは寒い季節になると流行することで有名なウイルスです。
アデノウイルスは一年を通して存在しますが咽頭結膜熱を起こすピークはちょうど今頃、7~8月です。
咽頭結膜熱に急性中耳炎が合併した場合、お子さんが急に耳を痛がったり、痛がってはいないけど耳を気にする素振りが増えたり、一度下がった熱がまた高くなったりします。
急性中耳炎は数日で自然治癒することも多いですからあまり心配することはありません。
ですが、中には急性中耳炎の治癒過程で滲出性中耳炎へ移行して何週間経っても耳の聞こえが良くならない、ということもあります。
もし疑わしい感じがした時には耳鼻咽喉科で耳の診察を受けてみることをお勧めします。
✳︎2020年の5月から辻堂たいへいだい耳鼻咽喉科でもプール熱の検査を始めました。
ノドや目ヤニを綿棒で擦るだけの検査です。
5分くらいで結果が出ます。