インフルエンザと異常行動

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インフルエンザと異常行動

インフルエンザにかかると飛び降りなどの異常行動を起こすことがあります。

何年か前にインフルエンザの薬(以下、抗インフルエンザ薬)の影響で飛び降りたんじゃなか、と報道がなされたことがありましたよね?

ご存知の方も多いと思いますが実はアレ、間違いです。

飛び降りなどの異常行動は抗インフルエンザ薬の影響ではなくてインフルエンザそのもののが原因です。

要するに異常行動はインフルエンザの症状の一つであって抗インフルエンザ薬を使おうが使うまいが起こりうるといいうことです。

因みに、インフルエンザにかかった人が異常行動を起こすことがあるという事は抗インフルエンザ薬が発売されるよりも前から医療従事者の間では認識されていました。

決して最近になって異常行動が頻発しているというわけではないのです。

 

異常行動の例

では、異常行動というのはどんな感じになるのでしょうか。

今まで報告された異常行動の例を挙げます。

突然立ち上がって部屋を出ようとする

・興奮して窓を開けてベランダへ出て飛び降りようとする

・人から襲われる感覚を覚え、外へ走り出す

・泣きながら部屋の中を回りだす

・突然笑い出す

・話しかけても反応しない

・変なことを言い出す

などが報告されています。

 

どういう人に異常行動が多いのか

・就学以降の小児、未成年の男性で異常行動が多い

・発熱してから2日以内に異常行動が認められることが多い

あくまでも「傾向として多く認められる」ということであって女性なら絶対に大丈夫という訳ではありません。

 

どうすれば良いのか

異常行動による転落などの事故を防止するため、発熱から少なくとも2日間は就寝中も含めて特に小児、未成年者が容易に外へ飛び出さない様に以下の対策を講じることが望ましいとされています。

・玄関や全ての部屋の窓を確実に施錠する

・ベランダに面していない部屋で寝かせる

・窓に格子のある部屋があればその部屋で寝かせる

・一戸建ての場合は出来るだけ一階で寝かせる

 

当院でもインフルエンザの検査をすると陽性と出る患者さんが少しずつ増えてきました。

インフルエンザはウイルス感染ですから基本的には自然治癒する疾患です。

ですので、急に高熱が出たとしても慌てないことです。

発熱時には適宜クーリングをし、脱水を防ぐためこまめな飲水を心がけて下さい。

必ずしも深夜や早朝や極寒の中、急いで受診する必要ありません。

病院の椅子で長時間我慢して待つ必要もありません。

よほど深刻な状態でなければまずは自宅安静でいいと思います。

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